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研究テーマ紹介2:光コム光源による瞬時3次元形状計測

こんにちは!美濃島研究室の森藤です。今回は私の研究テーマについて紹介したいと思います。


私は、光コムを使用して瞬時に3次元形状を計測する手法について研究しています。


光コムとは、超短パルスレーザーの一つで、極めて一瞬だけ光る光源です。光コムはいくつもの周波数成分を含んでおり、それらが非常に等間隔に並んでいる特徴を持っています。その形があたかも ”くし(comb)”のように見えることから、”光コム” と呼ばれています。等間隔性からすべてのくしの周波数がわかるので、何番目のくしであるかを数えれば非常に精度の高い ”光のものさし” として用いることが出来ます。


光コムは様々な応用に用いられていて、光計測の分野に革命をもたらしました。1999年に光コムを開発した2人の研究者は2005年のノーベル物理学賞を受賞しました。


光コム


近年、3Dプリンターや自動運転などの産業・工業技術が急発展し、3次元情報の取得に高い需要があります。形状計測手法として、現在様々なものが用いられています。例えば、物体に針を当ててその上下振動で形状を測定する手法や、前回のブログで説明のあったLiderを利用したものなどがあります。一方で、針を用いた手法では物の破壊を伴ったり、範囲、精度、速度にトレードオフが存在するなどの課題がありました。私たちが開発した光コムを用いた計測手法では、その課題を克服し、非接触・非破壊に広範囲、高精度、高速かつ、大型物体から顕微物体までを瞬時に計測できる可能性を秘めています!


次に、私が研究している3次元形状計測の原理について紹介したいと思います。

まず、空間で色が分離している光を物体に照射します。すると、物体の段差情報に応じて時間差のある反射した光が得られます。この光を別の光と重ね合わせると、干渉という強め合ったり弱めあったりする現象が起こります。これによって特定の色が強調され、この色を検出することによって物体の形状を計測することが出来ます。このように、空間、時間、色情報を瞬時に変換することで、3次元形状の測定を実現しています。この手法では、小さい物体だけでなく、光コムのパルスの等間隔性を利用することで大きな物体も精度を落とさず測定することが出来ます。

3次元形状計測法



ここまで読んでいただきありがとうございました。光コムはこのほかにも様々な応用があり、様々な研究機関で研究が進められています。今後光コムの話題を聞くことがあるかもしれませんね!


これからもUEC-OSAのメンバーが様々な光の研究について紹介していく予定なのでお楽しみに!





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